
お腹の調子を整えるためにオリゴ糖を摂っているのに、お腹が痛くなるという人がたまにいます。本来の効果とは全く逆のことなので、それには何かと理由があります。
今回は、オリゴ糖で腹痛を引き起こしてしまう人のためにいくつかアドバイスを紹介します。
なぜオリゴ糖で腹痛を引き起こすのか?
まず、オリゴ糖で腹痛を引き起こす最も考えられる原因は、過剰摂取です。
オリゴ糖には、非常に多くの種類があり、それぞれに一日の目安摂取量や上限摂取量が決めれています。また、摂取する人の性別や年齢などによっても若干変わってくることでしょう。
例えば、母乳の成分にも含まれる非常に安全性の高いオリゴ糖として知られる「ガラクトオリゴ糖」の場合、一日の摂取目安量は2g〜5g(出典1参照)、また副作用を調べたある調査では一日45g摂取した成人女性8人のうち3人に下痢の症状が報告されています。(出典2参照)これが上限摂取量となります。
45gはガラクトオリゴ糖の目安摂取量(5g)で考えると、9倍の量になります。9倍はまさに過剰摂取に含まれますね。
オリゴ糖は腸内環境を整えてくれる食品ですが、消化吸収されにくいのも特徴で、そのまま腸に届きます。
これが大きな問題で、消化吸収されないオリゴ糖をたくさん摂取してしまうと、腸の他の部分にある水分を引きつける「浸透圧」というものが働きます。
これによって、大腸内で浸透圧が上がり、便の水分量が増えて腹痛、下痢となってしまうのです。
普通に摂る分には問題ない
オリゴ糖は非常に安全度の高い食品なので、通常一日の目安摂取量をしっかりと守っていれば、腹痛を引き起こすことはないと思います。
もし、適量を摂っているのに腹痛を感じたという人は、何か他のオリゴ糖と相性の悪い食べ物を摂取しているか、または他の食品による影響などが考えれれます。
例えば、コーヒーを飲む際に砂糖の代わりにオリゴ糖を摂取しているという人なら、オリゴ糖ではなくカフェインの摂り過ぎによって腹痛になっているかもしれません。
腹痛を防ぐには決められた用法を守る
まずは、自分のオリゴ糖の種類を調べて、どのような効果があって、何に気をつけたほうがいいのか、などをしっかりと把握するようにしましょう。
せっかく健康に良い食品を摂取しているのに、腹痛など体の不調を生み出すようになれば非常にもったいないですよね。
出典1:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin1568.pdf
出典2:奥恒行, 崎光子. “ヒトにおける難消化性オリゴ糖・ガラクトシルスクロースの一括摂取と分割摂取の一過性下痢誘発に及ぼす影響ならびにその許容量.” 日本栄養・食糧学会誌 52.4 (1999): 201-207.
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ウキシマコウヘイ

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