
食べる量を減らしているのに、若い頃のようになかなか思うように体重が落ちないとお悩みの方はいませんか?
年齢を重ねることで痩せにくくなるのは、腸内の細菌が関係しています。腸内フローラと呼ばれる細菌のバランスと、痩せやすい菌や太りやすい菌について、わかりやすくお話しします。
腸内細菌とダイエットのつながり
生まれる前の赤ちゃんにはまだ腸内細菌がなく、無菌状態でお母さんの胎内ですくすくと育っています。
では、いつになったら赤ちゃんの腸内に細菌が住みつくかというと、生まれて3~4時間ほどしてからとなっています。
院内での医療従事者や家族との接触や産道からというように、生まれてからの環境によって、さまざまな経路で細菌を取り入れます。
取り入れた細菌が繁殖をして、花畑のように腸内に住みつきます。
こうして繁殖した細菌は、花畑のように見えることから腸内フローラ(花畑)と呼ばれています。しかも、さまざまな経路によって取り入れることから、誰一人として同じ腸内フローラを持っていません。
さて、この腸内フローラは肥満かそうでないかに関して深い関わりがあります。
大人の腸内には、「フィルミクテス門」と「バクテロイデス門」という細菌が大半を占めています。どちらの菌も日和見菌に分類されるのですが、健康な大人の腸は、菌のバランスにポイントがあります。
それは、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7の割合だということ。
日和見菌である「フィルミクテス門」と「バクテロイデス門」は、善玉菌と悪玉菌のどちらか優勢な方に同調する性質があります。
最近よく「デブ菌」「ヤセ菌」という言葉を耳にしたことはありませんか?
ポピュラーになりつつある「デブ菌」「ヤセ菌」ですが、実際にはそういった名まえの菌はありません。ではどういった菌が「デブ菌」と「ヤセ菌」なのかご説明しましょう。
先ほどお話ししたフィルミクテス門の細菌は、本来であれば体の外に排出すべき脂肪の吸収を高めるため、体にためこみやすくなります。
ためこむとどうなるか想像してみるとわかるかと思いますが、肥満の原因となってしまいます。これが「デブ菌」と呼ばれるゆえんです。
そしてもうひとつのバクテロイデス門の細菌の働きは、食べ物を分解すると短鎖脂肪酸が作り出されます。
これが血中に存在することによって脂肪細胞に働きかけ、脂肪の取り込みがなくなるのです。こうした作用があるため、バクテロイデス門は「ヤセ菌」と呼ばれているのです。
しかもこの菌は、年齢を重ねていくにつれてバランスを崩しやすくなるので、加齢とともに太りやすくなるのです。
あなたがもしスリムになりたいのであれば、バクテロイデス門の細菌をバランスよく増やすといいでしょう。
ヤセ菌のバクテロイデス門を増やす食材はこれ!
まずは、腸内環境のバランスを整えることからはじめてみましょう。
いったいなにがおすすめかというと、酢の物やヨーグルト、果物や食物繊維がいいでしょう。
食物繊維といっても水溶性食物繊維や不溶性食物繊維がありますし、善玉菌を増やしてくれる乳酸菌を元気にしてくれるオリゴ糖やグルコン酸といったものがあります。
水溶性食物繊維であれば、海藻類(日本人の腸内フローラしか消化吸収できない)、こんにゃく、バナナ、アボカド、なめこ、オクラ、りんごがいいでしょう。
不溶性食物繊維なら、豆類やごぼう、ブロッコリーや芋類、切り干し大根がいいでしょう。
オリゴ糖であれば、バナナやゴボウ、はちみつやてんさい糖、みそやしょうゆ、たまねぎやとうもろこし、アスパラガスなどもいいでしょうし、市販されているオリゴ糖を使うと便利かもしれませんね。
また、グルコン酸は蜂みつや黒酢、しいたけや大豆、ワインやみそに含まれています。
実践してみよう!スリムを目指すためのレシピ
無駄なお肉を落としてスリムを目指したいときには、食物繊維を多く取れる酢の物がおすすめ!
今話題の「酢キャベツ」や「切干大根」「焼きバナナ」に、さらに善玉菌を元気にさせるオリゴ糖を活用してスリムを目指しましょう。
オリゴ糖は小腸で消化されることなく大腸までしっかり届くので、腸内フローラを整えるにはオススメの食材です。
作り方はとても簡単!
■酢キャベツのレシピ
<用意するもの>
・キャベツ 1/2個
・酢 200cc
・塩 小さじ1
・オリゴ糖 数滴~2gまで(自分の好みで)
キャベツを好みの太さに千切りにしたら、塩でなじませて揉みましょう。余分な水分を出すことで、味がしみこみやすくなります。
ある程度水分が抜けたらキャベツを手でしぼり、清潔なビニール袋にいれます。
そこへ酢とオリゴ糖を入れてよく混ぜて空気を抜き、口をしっかりと止めたら軽く揉んで半日から1日ほど常温で寝かせます。常温が不安な人は冷蔵庫でも問題はないでしょう。
キャベツにはビタミンUが含まれており、毎日少しずつ食べるようにすることで、腸内フローラが整うだけでなくお肌までもがよい状態に向かいます。
■切干大根とたまねぎの酢の物のレシピ
切干大根は食物繊維が豊富で、ヤセ菌を増やすにはオススメです。
ただし、便秘気味の人が食べるときには、よく噛んで召し上がるようにしてください。
<用意するもの>
・切り干し大根 20g
・たまねぎ 1玉
・酢 大さじ6
・塩 小さじ1/4
・オリゴ糖 数滴~2g
(以下はお好みで)
・きゅうり 1/2本
・にんじん 1/2本
切干大根は酢の物にする場合にはお湯で戻しておきます。
その間に玉ねぎとにんじん、きゅうりを千切りにして、そこへ塩をふりいれて軽くもみます。
切り干し大根が柔らかく戻ったタイミングで、切り干し大根と塩もみをしていたきゅうりとたまねぎ、にんじんを手でぎゅっと絞って余分な水分をよけます。
清潔なビニール袋に上記の材料と、酢、オリゴ糖を加えたら口をしっかり止めて軽くもみます。その後は1時間程寝かせておいしく食べることができます。
たまにはデザートも食べたい!そんなあなたに焼きバナナがおすすめ
バナナには健康的な成分としてオリゴ糖が含まれています。
バナナを焼くことによって、加熱されたオリゴ糖が増えて腸内フローラを整えてくれます。
食事の後のデザートとしていただくと、気分もあがりますよ!
<用意するもの>
バナナ 1本
アルミホイル 適量
オーブントースターにアルミホイルを敷いて、そこへ皮のままのバナナを乗せます。
200度で10分ほど焼いたら出来上がりです。皮をむいて食べましょう。
このほか、皮をむいたバナナをお皿に乗せて電子レンジ(600W)で30~40秒ほど加熱をする方法もあります。
上記のような方法で加熱されたバナナをスプーンのはらですりつぶし、ヨーグルトに混ぜて食べるのもいいでしょう。
オリゴ糖と乳酸菌の働きで善玉菌が増えるので、腸内フローラが整うだけじゃなくスリムを目指すこともできます。
まとめ
「ヤセ菌」や「デブ菌」と聞くだけでは、なにがどのように作用するのかなかなかわかりませんよね。
菌の種類と働きを理解することで、食事に関する知識も増えるのでモチベーションも上がりやすくなります。
食物繊維やオリゴ糖などを使って、善玉菌を増やすメニューを考えるのも楽しくなりそうですね。
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