入浴時の温度差に注意!冬の楽しみに落とし穴「ヒートショック」ってなに?

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寒波が続く日々の愉しみのひとつといえば、お風呂や温泉に入りほっこりと身体を温めることではないでしょうか。

 

1日の終わりに、お休みの日に湯船へ身体を滑らせることが至福という方も少なくないはず!

 

ところが、この至福のひとときを一変させる『ヒートショック』という現象があります。

 

恐ろしいことに、ヒートショックに関連する事故死は、交通事故の4倍以上ともいわれています。

今回は、ヒートショックについてと、ヒートショックの予防方法をご紹介していきます。

1.ヒートショックについての予備知識

侮ってはいけない、入浴中の死亡事故

平成25年度『厚生労働科学研究費補助金 入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究』によると、ヒートショックに関連した入浴中の急死に至ったかたの数は、1年間のうち全国で約19,000人との結果が報告されました。

 

この数値は、交通事故による死亡者数の実に4倍以上にのぼることから、身近にある危険といえます。

発生時期は11月から3月に多発し、死亡原因の多くは脳卒中(脳出血、脳梗塞)や心筋梗塞です。

ヒートショックで何が起きているか

室温の急激な変化があると、身体は体温を調節するために筋肉を震わせて熱を作ります。

冬場のお風呂や脱衣所で、寒さからブルブルッとした経験があるかと思います。それが、筋肉が震えている状態なのです。

 

それと同時に、身体の表面から熱が逃げないように血管が収縮し、血圧や脈拍が上がります。

通常、リビング→廊下や脱衣所→浴室の順に室温が低下し、その温度差が大きいほどヒートショックは起こりやすくなります。

 

さらに、熱いお湯に入った瞬間、熱い刺激で血圧は急上昇していきます。段々と身体が温まり始めると血圧は急降下していきます。この血圧の急激な変化(乱高下)が危険なのです。数値だと約30mmHgも変化してしまうと考えられています。

このような“急激な血圧の変動”が、ヒートショックと呼ばれる状態であり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす原因となります。

2.ヒートショックを予防しよう

浴室や脱衣所、トイレ

リビングには暖房器具で暖かくしているけれど、浴室や脱衣所、トイレは温度が低いままにしていると、温度変化が大きくなってしまいます。

 

例えば、浴室が10℃の場合、服を脱いで浴室に入るときに温度差を感じ、血圧が急上昇します。さらにお湯に浸かるまでも上昇し続け、湯温で急激に血圧が低下していきます。その後、脱衣所で服を着るときに寒さを感じ、急激に血圧が上昇します。

このような乱高下を避けるためには、浴室を25℃くらいにしておくことが大切です。

 

方法として、浴室や脱衣所、トイレに暖房器具を置くことや、入浴約20分前からシャワーで湯を出して浴室を温めておくことがおススメです。

また、浴槽のふたを開けておき洗い場にマットや、すのこ等を敷くことも良いでしょう。トイレでは便座シートの活用も有効です。

お風呂の温度

お風呂のお湯の温度にも注意が必要です。例えば42℃に設定した湯船では、入浴してすぐに血圧は約50mmHgも急上昇し、4~5分で約30mmHg急降下し、徐々に上昇してから出浴後数分間で約30mmHgも下がるという報告があります。

対して、38℃であれば血圧の変動がゆるやかでした。※1

 

外気温が低くなり、42℃程度の熱いお湯に入りたい気持ちを抑えて、41℃以下、なるべくは40℃以下に設定してお風呂を愉しんでください。

 

また、入浴前に水分補給をしておくこともヒートショック予防には欠かせません。

その他

ご高齢の方は、家族の方に入浴することを伝えてから入ると良いでしょう。また、気温が低い季節の深夜や早朝は気温が下がるため、なるべくその時間を避けて入浴しましょう。

 

浴槽に入る前に、手や足など身体の末端へかけ湯をしてお湯に身体を慣らしてから入りましょう。また、出浴するときには勢いよく出るのではなく、手すりや浴槽のヘリを活用して、ゆっくりと立ち上がりましょう。

3.まとめ

いかかでしたか?今回はヒートショックについてと、ヒートショックの予防方法についてご紹介しました。

脳卒中(脳出血、脳梗塞)や心筋梗塞などは、重い後遺症や、突然死に繋がるとても怖い疾病です。

 

自分は大丈夫、まだ若いから、と油断していると、取り返しのつかないことが起きてしまうかもしれません。

今日より実践できることから始めて、ヒートショック予防を日常の習慣にしましょう。

 

出典:※1
植田理彦「入浴の科学‐健康への効果」フレグランスジャーナルNo.69.1984

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安東成道

安東成道

成健研究所所長、予防医学指導士、代替医療カウンセラー、内閣府認証・NPO法人 予防医学・代替医療振興協会 学術委員、内閣府認証・NPO法人 健やか日本‐21 理事、臨床心理学修士号取得者。
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