
近年流行しているダイエットや健康法のひとつである「糖質制限」。
糖質制限や血糖値コントロールが必要な人のなかには、なるべく糖質の摂取を控えたいと考えている人もいるでしょう。
そこで今回は、糖質制限や血糖値のコントロールに適した甘味料であるオリゴ糖について紹介します。
糖質制限とはどんなものか?
糖質制限とは、糖類や炭水化物など糖質を多く含む食品の摂取を制限することをいいます。
これまでは、ダイエットというと1日の総摂取カロリーを少なくするのが主流でしたが、最近では、糖類や炭水化物など糖質を多く含む食品を制限するという健康法が人気を集めています。
ダイエットや肥満の予防において悪者扱いにされがちな糖質ですが、古くからお米を主食としていきた日本人にとって、炭水化物は重要なエネルギー源でもあります。
最近では、糖質制限によるダイエットや健康法が注目を集めていることから、自己判断で無理な糖質制限をする人もいます。
確かに、炭水化物や糖分などの糖質をカットすると、一時的に体重は落ちやすくなりますが、長期的に体がエネルギー不足となることで、疲労感が増したり、体力が低下したりするなどのデメリットもあります。
糖質制限を行うときには、すべての糖質をカットするのではなく、適量の炭水化物を取ることも大切です。
糖質制限をするときの注意点
糖質制限を行うときのポイントとなるのが、糖質の摂取を少なくしつつ、1日の摂取カロリーは減らないようにすることです。糖分や炭水化物を減らす分、食べる量が増えるのが、タンパク質や脂質です。
一方で、肉などの脂質の多い動物性タンパク質の摂取が増えると、かえって肥満を招いたり、糖尿病や心臓病などの生活習慣病のリスクを増やしたりする可能性も。
ダイエットや血糖コントロールをするのなら、糖質のすべてをカットするのではなく血糖値の上がりにくい食品を選んで、ゆるやかに行うことも大切です。
血糖値のコントロールとダイエットの関係
血糖値のコントロールというと、糖尿病など血糖値の高めの人にかかわりのあるものと考える人もいるでしょう。
血糖値は、糖質制限やダイエットを行っている人にも関わりがあるものです。食べ物と血糖値の仕組みは次のようになります。
1. 食べ物を口から胃に入ると、食品に含まれている糖分がブドウ糖に分解された後、血液に吸収されて血糖値が上がる。
2. 血液中の糖分を体の細胞に取り込むために、すい臓からインスリンが分泌される。
3. インスリンの働きによって、血糖値が下がる。
血液中のブドウ糖を細胞に取り込むインスリンですが、体内で脂肪を合成する働きもあります。特に、血糖値が急激に上がると、インスリンが大量に分泌されるため、肥満や糖尿病の原因になります。
糖質制限は、糖分や炭水化物の摂取を減らすことで、インスリンの分泌を少なくすることができます。一方で、インスリンの分泌を抑える方には、血糖値を上げにくい食品を食べるという方法もあります。
血糖値を上げる食品を知るには?
自分が口にする食品がどれくらいの血糖値を上げるのかを知るのに役立つのがGI値です。
GI値は、グリセミック・インデックスといわれるもので、食品(100 g)を摂取してからの血糖値の上昇を示した値となります。
GI値の基準はブドウ糖が100となっており、そのほかの食品の値は相対値で表されます。主な食品の具体的なGI値は次のようになります。
≪さまざまな食品のGI値≫
◆炭水化物
・精白米 84
・玄米 56
・パン 91
・ライ麦パン 58
・スパゲッティ 65
・オートミール 55
◆タンパク質食品
・鶏肉 45
・豚肉 45
・牛肉 46
・アジ 40
・イワシ 40
・牛乳 25
・ヨーグルト 25
・卵 30
・豆腐 42
・納豆 33
◆野菜や果物
・ジャガイモ 90
・ニンジン 80
・キャベツ 26
・バナナ 55
・イチゴ 29
一般に、GI値70以上のものを高GI食品、55以下を低GI食品としています。
主な食品の具体的なGI値をみてみると、主食になる炭水化物はGI値が高い傾向にあり、肉や魚などのタンパク質はGI値が低い傾向にあります。
野菜や果物の場合は、糖質を多く含むものはGI値が高く、糖質をそれほど含まないものはGI値が低くなります。
また、炭水化物でも、精白されていない食品は、GI値が低めになります。
オリゴ糖は血糖値が上がりにくい
糖分というとGI値が高く、血糖値を上げるイメージを抱く人もいるでしょう。
とはいえ、糖質制限や血糖値のコントロールのために食事をしている人でも、ときには甘い物を食べたくなることもありますよね。糖質の摂取や血糖値が気になる人におすすめの甘味料がオリゴ糖です。
甘味料として使用されるオリゴ糖のGI値は10と低いものです。オリゴ糖は、腸で吸収にくい糖質でできており、砂糖と比較して血糖値の上昇がゆるやかになります。
糖質制限や糖尿病などで血糖値のコントロールをする必要のある人は、砂糖の代わりにオリゴ糖を利用するのもおすすめです。
ただし、GI値の低いどの食品にもいえることですが、低GI値の食品を食べても、エネルギーは吸収されます。
あくまでGI値は食品を単独で取った場合の値です。食物繊維や油、乳製品など糖分の吸収をゆるやかにする食品と一緒に食べれば、GI値が示す値よりも、血糖値の上昇がゆるやかになります。
また、同じ食事でも「野菜のおかず→主菜のおかず→主食」の順番で食べれば、血糖値の急上昇を抑えられます。食品のGI値は、ひとつの目安として確認するようにしましょう。
糖質制限をするのならオリゴ糖を使うときのポイント
甘味料としてオリゴ糖を摂取するときに注意したいのが、1日の摂取量です。オリゴ糖は砂糖よりも甘味が弱いので、多めに使用したくなることもあるでしょう。
しかし、オリゴ糖は腸の中で、水分と取り込みやすいという性質を持つため、一度に大量に摂取すると、お腹がゆるくなることがあります。
オリゴ糖の1日の摂取量の目安は多くとも8g以内を目安にすることが大切です。
オリゴ糖は腸内で善玉菌のエサとなり、ガスを発生させるので、甘味料としてオリゴ糖を使うのが初めての人は、まずはスプーン1杯5g程度から始めるとよいでしょう。
糖質制限中のオリゴ糖の上手な摂り方
コーヒーや紅茶を飲むときや甘味が欲しくなったときに、甘味料としてオリゴ糖を使ったり、ヨーグルトなどでデザートに加えるのもよいでしょう。
また、最近では、コーヒ―や清涼飲料水など市販の飲み物でもオリゴ糖が使用されているものもあります。
市販の飲み物を購入するときは、表示ラベルを確認してオリゴ糖が含まれているものを選ぶようにしてみてください。
なお、糖質制限にオリゴ糖を利用する場合は、一日で使用できる量が限られているため、糖質制限としての効果はそれほど高いものではありません。
毎日の食生活のなかで、オリゴ糖をはじめとする、低GI食品を選ぶことは健康的な生活につながるといえるでしょう。
まとめ
糖質制限は、一日の総摂取カロリーは変えずに、糖類や炭水化物の摂取量を少なくする健康法です。
体の主なエネルギー源である糖質の量を減らすことで、体重の減少や血糖値のコントールにも有効です。
一方で、ダイエット効果が高いことから、極端な糖質制限を行って健康を壊してしまう人も少なくありません。
体に負担をかけずに糖質制限を行うには、オリゴ糖をはじめとする低GI値の食品を中心に食べるようにすることもおすすめです。
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江波明子

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